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既存ビジネスの購入 (Acquiring an Existing Business)

Feb 26, 2016

ハワイでの起業に向けて一つの大きな課題となるのが、最初からビジネスを立ち上げるか、または既存ビジネスを購入するかの選択です。

起業や既存ビジネスの購入方法については、税務上の検討も非常に重要であるため、まずは会計士に相談することをお勧めします。

今回は、既存ビジネスを購入するメリットとデメリット、そして購入時に検討すべき法的注意点をご説明します。

既存ビジネス購入について
一般的に既存ビジネスを購入する場合、最初からビジネスを立ち上げるよりもコストが多少高くなってしまう場合があります。しかし、ブランド価値やベンダーとの関係など、目には見えない利点がその購入に含まれます。例えば、顧客ベースがすでに存在しているためマーケティングをゼロから行わなくて良いことや、従業員を雇いトレーニングをしなくて良いこと、現金流量(cash flow)がある程度把握できることなどが挙げられます。さらに既存ビジネスの所有する従業員規則(employee handbook)やマニュアルなどが自分のビジネスに適切である場合、そのまま引き継ぎ利用することも可能です。

さらに、既存ビジネス購入の方が現地の銀行から融資を受けやすい場合もあるので、事前に銀行と相談されることも判断材料の一つになるかもしれません。

しかし、既存ビジネス購入の一番の難点は、しっかりとした内容調査の必要性です。古くなった在庫、使い物にならない什器(じゅうき)、トラブルを起こす従業員、条件の悪い契約書や既存ビジネスの負債やクレームなどを慎重に探り出す必要があります。売値が市場と比べて安いと感じる場合、その裏には何らかの問題が潜んでいる可能性があります。

税務上の影響や、最初からビジネスを立ち上げる難易度、融資の必要性などの事情を全て検討した上で、もし自分の起業プランに合った既存ビジネスが見つかった場合、次に検討しなくてはならない点はそのビジネスのアセットを購入するか株式を購入するかの判断です。

株式購入 vs アセット購入
既存ビジネスの購入方法は、大きく分けて2つあります:(1)資産を買い取る「アセットパーチェス」(asset purchase)、そして(2)株式を買い取る「ストックパーチェス」(stock purchase)。一般的に、買い手は既存ビジネスの負債や法的クレーム、隠れた損害賠償責任から身を守るためアセット購入を希望します。それとは逆に、税務上のメリットや売却後ビジネスから「立ち去れる」ことから、売り手は株式の売却を希望する場合があります。以下に、買主の観点からこれら2つの方法のメリットを簡単にまとめます。

アセット購入のメリット
1.    既存ビジネスに存在する負債や法的クレーム、損害賠償責任を引き継いでしまうことを避けられます。株式購入の場合、実質的に売主の法人はそのまま実態を残しているため、法人に関連する負債はすべて引き継ぐことになってしまいます。取引時には不明確な負債や法的クレームが存在する可能性もあるので、そのリスクを避けることを一番の目的としてアセット購入を希望する買主もいます。株式購入契約書でこのようなリスクを売主に負担させることも可能ですが、取引後に売主からの保証や協力を要するため、その有効性を慎重に検討する必要があります。
2.    必要な資産(知的財産を含む)だけを選択して購入が可能です。ここでの注意点は不動産、車、什器などに抵当権がついていないことを確認することです。資産鑑定も重要な調査の一環です。
3.    従業員は、売主によりまず全員解雇されるので、買い手は新法人のもと再雇用する従業員を選択することができます。株式購入の場合、従業員は既存の法人に雇用されているため、解雇する場合は買主の責任となってしまいます。ハワイでは一般的ではありませんが、もし従業員との間に労働契約が締結されている場合、その従業員を解雇することが非常に困難となってしまう可能性があります。
4.    売却を反対する少数派株主がいる場合、余計な争いを避けることができます。アセット購入の場合、過半数の株主の承諾により売却が許可されることがほとんどなので、反対をしている少数派株主と直接争う必要がなくなります。株式購入の場合、少数派株主に売却を強制させることが困難になる場合もあるため、取引が遅延してしまうことがあります。例えば、95%の株式を購入できたとしても、反対派の残り5%を取得できなければ取引がきれいに成立しません。* 少数派株主の反対や株主が大勢いる場合、州法に基づいた「合併」(merger)を利用し、強制的に少数派株主の株を買い取るという方法も取れますが、当コラムでは「合併」についての説明はいたしません。
5.    証券の取引ではないため、州や連邦証券法や規制に引っかかってしまうことを避けられます。

株式購入のメリット
1.    譲渡される資産の名義変更が不要となります。アセット購入の場合、不動産、車など登記・登録が必要なものについてすべて名義変更が必要となります。
2.    契約書、ライセンス、パーミットをそのまま引き継げる可能性があります。売却される既存法人が契約書などの当事者やパーミットの申請者であるため、新株主のもとそのまま有効性が継続します。しかし、最近では法人の経営権やコントロールに変更が発生した場合、契約書の当事者やパーミットを発行した行政機関から同意を得る必要であるという文言が含まれていることがあります。もしこのような文言がある場合、契約書やパーミットの有効性が失わないように譲渡を行わなくてはなりません。
3.    従業員を再雇用する必要がなくなります。従業員の雇用主は売却される既存法人であるため、購入前と雇用形態に変更がありません。
4.    株主が少人数である場合、取引に必要となる書類の準備が比較的単純な作業となります。

ビジネスの調査
どちらの方法でもビジネスの内容調査が非常に重要となります。このdue diligence (DD)と呼ばれる作業で弁護士、会計士、その他必要なコンサルタントをチームに加え、慎重に進める必要があります。DDの作業内容は案件ごとに異なりますが、一般的に法律面では法人の実態や、抵当権、負債、契約書、リース内容、ビジネスに影響する法案、規則、訴訟、行政機関からの訴え、ゾーニング、環境関連のコンプライアンスなどの調査が含まれます。購入する資産に不動産が含まれる場合は、測量やタイトル関連の調査も必要となります。DD期間は当初の売買契約書により合意されますので、売買契約書の交渉時にDD期間が十分であることを確認しなくてはなりません。

取引にリースが含まれる際の注意点
DD中に特に注意が必要となるのがリース契約の内容確認です。アセット・株式どちらの方法でビジネスを購入する場合も、既存リースの引き継ぎはよくあることです。大家はビジネス売買には直接関係ないものの、リースが譲渡される場合、売買金額の一部が大家に支払われるという条項が含まれていることがあります。この条項が含まれている場合、売主はそれを考慮しビジネスの売却金額をその分上乗せします。さらに、同様に自分が将来的にビジネスを売る際もこの問題に直面してしまいます。新たなリースを締結する場合もこのような条項には十分に注意が必要です。

最近では、リースが譲渡される際に大家が家賃を調整できるという条項も増えているため、賃貸料が良いことを期待してリースを引き継ぐ場合も注意が必要です。株式購入の場合、リースの「譲渡」はないのですが、上記にも記載の通り、法人のコントロールが変更する場合もこのような条項が適応されてしまう可能性があるため、リースを細かくチェックしなくてはなりません。リースの内容によって大家が非常に有利になる仕組みになっていることや、譲渡の有無を決定する権限を握っている場合もあるので、取引の遅延や中断を避けるためにも事前に慎重な調査が重要です。

ビザの検討
非移民ビザの申請を検討している場合、ハワイビジネスへの投資形態や資金の流れを事前に検討する必要がありますので早い段階で弁護士とご相談されることをお勧めいたします。

注意:コラムの内容は一般情報であり法的アドバイスではないことをご了承願います。法律のアドバイスをお求めの方は個人的に弁護士とご相談ください。

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