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ハワイ法人の設立(Hawai‘i Entity Formation)

Apr 25, 2016

ハワイで日系企業や投資家に最も利用される法人形態は株式会社です。今回は、ハワイ州株式会社の設立について説明します。株式会社の次によく利用される有限責任会社(Limited Liability Company)の設立については多少異なる点もあるのでご注意ください。

1. ハワイ州商業局の手続き
ハワイ州内で営業を行っている法人は、ハワイ州商業局(DCCA:Hawaii Department of Commerce and Consumer Affairs)の管轄下にあります。株式会社および他種の法人を設立する際は、DCCAの規則に従い申請を行わなくてはなりません。一般的に弁護士が法人設立の手続きを行います。

a. 定款(Articles of Incorporation)の登記: 州法に基づき作成された定款をDCCAで登記することにより、ハワイの株式会社を設立することができます。弁護士が定款に署名できるので、設立者が渡米する必要はありません。定款は必要最低限の情報のみを記入するDCCAの雛形を利用することも可能ですが、今後ビジネスを拡大させていく場合、あるいは就労ビサの申請を検討している場合、細かな条項を記載した定款の作成を弁護士に依頼することも可能です。定款に記入する情報は以下に説明します。

b. 法人名: 既にDCCAに登録されている法人名や商号、またはそれに似ている名称を使用することはできません。法人名と別名称でビジネスを行う場合は、商号(Trade Name)を登録することも可能です。希望の法人名が既に登録されているかどうかはDCCAのデータベースで確認することができます。“Hawaii”や“International”を含む法人は数多く存在するため、類似名として登記が却下されてしまう可能性もあります。登記が正式に受理された時点で法人名や商号が確定するとお考えください。なお、株式会社の法人名には必ず「Incorporated」「Corporation」もしくは「Limited」という名称をつけなくてはなりません(短縮して「Inc.」「Corp.」「Ltd.」とすることも可能です)。法人名を決定し、既にDCCAに登録されていないことを確認できた時点から定款の登記まで時間が空いてしまう場合、25ドルで120日間希望の法人名を確保しておくことができます。

c. 法人住所: 法人の現地住所が必要となります。私書箱(PO Box)は受け付けられないので、街名、番地と郵便番号のある住所が必要となります。設立当初使用できる住所がなければ、弁護士や会計事務所、不動産管理会社の住所を利用することも可能です。

d. 法人目的: 日本では法人設立時に法人の業務内容や目的を登録する必要があるようですが、ハワイでは法人の目的を細かく明記する必要はなく「法律上認められている業務すべて」という表現で問題ありません。

e. 取締役 (Directors): 取締役の名前と住所が必要となります。住所は日本の住所(法人または自宅)を利用することが可能です。取締役の人数は株主の人数により制限されます。例えば株主が1人の場合、最低1人の取締役が必要であり、株主が2人の場合は取締役が最低2人必要になります。株主が3人以上の場合は取締役が最低3人必要になります。決議案や議事録には取締役全員の署名が必要になることがあるため、署名を手配する手間を回避することを目的として取締役を少人数にする場合もあります。

f. 執行役 (Officers): 執行役の名前と住所が必要となります。取締役同様、日本の住所(法人または自宅)を利用することが可能です。日本では取締役と役員の区別はさほど大きなものではないと理解していますが、アメリカでは取締役(Director)と役員(Officer)の役割は明確に区別されています。取締役は法人の方針に関する決定権を持ち、役員は法人の毎日の運営を任されています。一般的に利用される4つの役員職は以下の通りです。
President (社長)
Vice President (副社長)
Secretary (秘書役)
Treasurer (監査役)

株主が1名である場合、その1名を4つの役員すべてに任命することが可能ですが、株主または取締役が2名以上の場合は最低2名の役員が必要となります。Vice Presidentを2名指定することや、Assistant Secretary(秘書役補佐)やAssistant Treasurer(監査役補佐)など、法人の必要に合わせて柔軟に修正することが可能です。

g. 登録代理人 (Registered Agent): 登録代理人は、ハワイ在住者またはハワイ州に住所を持つハワイ法人でなければなりません。法人の取締役や役員がハワイ在住でない場合、法的通知などを受け取れるよう現地の登録代理人が必要となります。ハワイには3社ほど「登録代理人業者」が存在し、月々の費用を支払い業者に登録代理人の業務を委託することが可能です。また弁護士事務所や会計事務所、不動産管理会社、そして現地の知人などを登録代理人として指定することもできます。

h. 資本金: 定款に株主を明記する必要はありませんが、発効可能株式数を記載しなくてはなりません。設立当初の最低資本額は1000ドルです。

i. 申請料金: DCCAの定款登記料金は現在50ドルです(2016年)。登記が正式に受理されるのは書類提出日から3週間ほどかかります。しかし、特別申請料として追加25ドルを支払うと、1週間で登記を完了させることができます。DCCAの申請料金一覧は、DCCAのサイト(http://cca.hawaii.gov/)にてご覧いただけます。

2. 法人規則 (Bylaws)
次に、定款を捕捉し、法人の業務執行上の規則を明記した法人規則が必要となります。一般的な条項を用いた簡単なものを利用することもできますが、今後の会社経営の方針に伴い、特別項目を付け加えることや必要に合わせて柔軟に内容を変更することが可能です。

3. 株主総会・取締役議事録 (Corporate Minutes)
次に必要となるのが法人設立決議案です。この書類は法人の設立や法人規則を取締役が
承認する内容となります。今後、法人がいろいろな判断や営業を行うに従い、正式な記録を決議案という形で残しておく必要があるほか、ビジネスを売却する際は法人決議案がしっかりと記録されていることが非常に重要になります。決議案は法人の内部記録であるため、公共の情報ではありません。

4. 納税者番号 (Tax Identification Number)
ハワイ法人が事業を行うには、連邦税務局とハワイ州税務局から納税者番号を取得しなければなりません。法人の会計年度や決算方法などの必要情報や書類が揃っている場合、番号は数日で取得できます。納税者番号の申請は、会計事務所や弁護士事務所で対応できます。

5. 銀行口座の開設
上記記載の通り、法人を設立するために渡米する必要はありません。しかし最近では金融関連規則やテロ対策が強化され、銀行口座の開設には法人の署名権を持つ役員が銀行に出向く必要があります。口座開設の手続きや必要書類は銀行ごとに多少異なる点もあるので、事前に銀行員にご確認することをお勧めいたします。一般的に必要となる書類は、登録済みの定款のコピー、法人規則、納税者番号、役員の身分証明、ある一定額の入金などが考えられます。

6. 年次報告書 (Annual Report)
法人設立後は毎年、法人の資本金や役員編成を商業局へ報告する必要があります。報告の時期は法人の設立日によって異なります(通常法人が設立された月の四半期)。申請時期に近づくとDCCAから法人の登録住所に通知が送られてきます。3年連続して報告書の提出を怠ると、DCCAが行政的に法人登録を抹消してしまう恐れがあります。報告書は、期限内に提出した場合はネット上で簡単に行える手続きであるため毎年忘れずに行ってください。2016年の申請料は15ドルです。

ハワイ州で株式会社を設立する作業はそれほど難しくはありません。最近では法人設立を行う「コンサルタント」が多く存在しますが、理解している内容と一致した申請がしっかりと行われていることや自分のビジネスに合うように法人規則が作成されているかを弁護士と確認することが今後余計な修正やコストを避けるためには重要になるかと思います。

注意:コラムの内容は一般情報であり法的アドバイスではないことをご了承願います。法律のアドバイスをお求めの方は個人的に弁護士とご相談ください。

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